この恋を叶えてはいけない

時間はもうすぐ22時を示す。
店自体は24時までやっているけど、あたしの仕事時間は22時まで。

お店のラッシュも過ぎ、だいぶ店内も落ち着いていた。


それもそのはず。


「雨すごいねぇー」

「ですね……」


店の外は、叩きつけるような雨が降っている。
しかも雷までゴロゴロとなっていて……。


あたし、雷苦手なんだよなぁ……。


外が光るたびにビクビクしている自分。

一刻も早く帰りたいと、心の中で願った。



「いらっしゃいませー」


ふいに自動ドアが開く。

営業スマイルを向けて、ドアへ振り返ると……



「え……」

「…は?」




神様のイタズラの度が過ぎる…。


あたしの姿を見て
驚く駿が立っていた。
 
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