*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「ぷっ……」


頭上でサトシ君が吹き出した。

え?



「また騙されてる。本気にしたん?」


彼から手を離し、キョトンと見上げる。

どういうこと?


「ウソやって。全部ウソ。もう、その騙されやすい性格なんとかせーよ」


サトシ君はケラケラ笑ってた。

だけど、その目はまだほんの少し潤んでいるような気がした。


ホントかウソかなんてどうでも良くて、ただ、この人はもしかしたら、いろんなことを抱えて生きてるんじゃないかって、そう思う。


だからいつも仮面を被ってそんな自分の弱い部分を見せまいと必死に取り繕っているんじゃないだろうか。



「あ……そや」


サトシ君は小さな袋を出してきた。


「ハイ。クリスマスプレゼント」


「え……わたしに?」

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