*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
どうしよ……。

そんなの受け取れないよ……。


そんなわたしの気持ちを読み取って、サトシ君は言った。


「特別な意味はないよ。なんて言うか……おわび?」


「え……」


「今まで色々……振り回してごめんな。もう、ちぃちゃんのこと困らせへんから」


そう言って、わたしの手に袋を握らせた。


なんでこんなに優しくしてくれるの?

わたしはずるい……。

傷つけたのはわたしの方なのに……。

なぜか泣きそうになってきた。


「サトシ君……ごめ……」


「ああっ。謝らんといて……。オレ、振られるの、慣れてへんから」



サトシ君はほんの少し寂しげに微笑むと、手袋とヘルメットをつけ、バイクに乗って去って行った。
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