俺様副社長に捕まりました。
だけど水沢さんは首を横に振ると熱い眼差しで微笑んだ。
「仕方ないだろ・・・・お前のことめちゃくちゃ好きなんだから・・・・」
やっぱりずるいよ・・・そんな目で言わないでよ
「ずっとずっと我慢してたのに・・・・」
「うん」
「わがまま言うけどいいの?もう・・・我慢しないよ。後でそれナシとかダメなんだからね」
「うん」

「・・・・とりあえず・・・この部屋なんとかしたい!」
「はぁ?」
「だって・・・こんな汚部屋で言いたくないもん。それナシとかダメって言ったんだから
片付けが終わったら・・・・・・ちゃんというから」
「はぁ?!」
水沢さんは明らかに不服そうな顔で肩をガクッと落としさっきまで座ってた椅子に
再び腰を下ろした。
そりゃそうだよね・・・普通だったら
ここで私がちゃんと自分の気持ちをぶつけて盛り上がるんだろうけど

だめだめ家政婦魂がこの状況をゆるさないんだから。
私は流れそうになった涙を拭い、ちょうどテーブルの上に置いてあったティッシュを
勢いよく取ると鼻を思いっきり噛んだ。
そしてバッグからエプロンを取り出すと素早く身につけた。
時計はもう夜中の1時を少し過ぎていた。
どうせ明日は15時に里沙さんのとこに行けばいいのだから
問題ない。
キッチンの引き出しから未開封のゴミ袋を取り出し
腕まくりをした。
そんな私を水沢さんは拍子抜けしたような顔をしていたが
急に笑い出した。
「ちょっと!笑ってないで水沢さんも片付け手伝ってください!
じゃないと言おうと思ってること言わないんだから!」
乱暴にゴミ袋を差し出すと
素直に受け取ったそしてさっきまでとは違う嬉しそうな顔でまた笑った。

「やっぱ・・・お前最高だよ」


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