俺様副社長に捕まりました。
だが・・・・
「そんなことないよ」
水沢さんはそう言うとスマホを取り出した。
そしてスマホを操作をすると拓海さんにスマホの画像を見せた。
その途端拓海さんの表情が一変した。
「・・・こ・・・これって・・・・」
私もその画像を見せてもらったが、そこに写っている画像は
専務の机だった。
そしてその机の上には拓海さんのお子さんであり安藤専務の孫である
輝くんと双子の亜美ちゃんと真美ちゃんの写真が飾ってあったのだ。

「本当は会いたいと思ってるんですよ。だけど・・・安藤専務って意地っ張りなところがあってね・・・・
もしかして里沙さんもそうなんじゃないんですか？」
尋ねる水沢さんに拓海さんは苦笑いで返した。

そこで私は一度姿勢を正した。
「私がこうやって水沢さんと一緒にいられるのは拓海さんと里沙さんの助言のお陰です。
だから次はお二人が今以上に幸せになって欲しいんです。私はそのお手伝いをしたくて・・・
里沙さんとご両親が和解して子供たちをご両親に会わせたいと思ってます」

拓海さんは驚きながら少々消極的な表情を見せたが私の思いは変わらなかった。
「前におふたりは言いましたよね。私のことを家族同様だって・・・・
だから・・・同じ家族の一員として私は輝くんや真美ちゃん亜美ちゃんにおじいちゃん
おばあちゃんの存在を知ってもらいたいし・・・できればみんなの笑顔が見たいんです。
だけどそれには拓海さんの協力なしにはできないんです。」
拓海さんは暫く無言で考えているようだった。
そりゃそうだ
今まで拓海さんは拓海さんなりに努力してきた。
返事がなくても定期的に送ってきた・・・
でもきっと安藤専務だって根底では孫に会いたいそう思っていることも
画像を見てわかったと思う。
拓海さんにできなかった私や水沢さんだからこそできる方法がある。
私はしつこいとは思ったが拓海さんに思いをぶつけた。
すると
急に姿勢を正した。
そして・・・・
「ありがとうございます。こちらこそよろしくお願いします」と頭を下げた。

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