俺様副社長に捕まりました。
車に乗ること25分。
水沢さんの指定した場所はなんと・・・・ホテルだった。
地下の駐車場に車を止めると里沙さんがかなり驚いていた。
もちろん私も水沢さんからこのホテルの名前を最初に聞いたときは
一体水沢さんは何を考えているのだろうかと思ったのだが・・・・・
突っ込むのはやめた。

私は驚いている里沙さんに笑顔で
「びっくりしましたよね。実は彼も一緒なんです」
「え?」
「彼が・・・・一度皆さんにお会いしてお礼を言いたいって言うので・・・ごめんなさい」
謝る私に里沙さんは
「謝らないで・・・・こんなすごいところだなんて思わなくてちょっと驚いちゃっただけ。
でもこんな立派なところじゃなくても・・・・」
謙遜する里沙さんに
「水沢さんは副社長なんだから何も気にしないでください。
もちろん私もそのつもりだったしね・・・」と言ったが
そうすんなり事が運ぶとは私も・・・・拓海さんも思ってはいない。
そして私は視線を輝くんに向け手をつないだ。
「お子様ランチきっとあるよ~~」
「やったー」
輝くんは屈託のない笑顔を私に向けた。

どうかうまくいきますように・・・・
里沙さんは双子ちゃんたちをベビーカーに乗せた。
拓海さんは誰よりも緊張した面持ちで車をロックした。

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