俺様副社長に捕まりました。
正式なプロポーズというものは記憶にない。
結婚したいと思ってると言われたがそれがプロポーズだとは
どう考えても無理がある。

となると・・・・
今回も縁談回避のための・・・・・ってことなのだろうか・・・・
水沢さんの考えていることが分からず戸惑ってしまう。

「桃・・・」
「はい・・・」
水沢さんが一歩近づいてきた。
「俺の桃花への気持ちに変わりはないし・・・桃が考えているような『ふり』なんて
させようなんておもってねぇーよ。本気の本気・・・桃には拒否権ないからな。
覚悟しておけよ」
口角をぐっと上げる水沢さんの顔は不安など内容に思えた
でも本気の本気って・・・それって・・・
驚いて顔をあげると
目の前には愛おしそうに見る水沢さんの顔がそこにあった。
「順番が逆で申し訳ないけど・・・・俺には桃以外考えられない。
急だったから何も用意できなかったから・・・
改めてちゃんと・・・・プロポーズする。いいね・・・」

「は・・はい」
返事をするだけが精一杯だった。

だけど・・・ここで浮かれててはいけない・・・・
問題はこれからだ。
水沢さんが大丈夫だっていってくれたけど相手はあの山岡物産の会長。
とてもスムーズに事が運ぶとは思えない。

不安を抱えながら私たちはパーティー会場へと向かった。


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