俺様副社長に捕まりました。
「桃花さん・・・申し訳なかった」
会長が頭を下げた。
「あっ・・・頭を上げてください。私こそ会長に対して生意気な態度を取ってしまいました」
するとしゃがんでいた水沢さんがいつの間にか私の横に立っていた。
「どういうことだよ！じいちゃん」
完全に素の水沢さんになっていた。
「今までどんな女性にもなびかなかったお前が選んだ女性が本当にお前にふさわしいか
見たかったんだが・・・・すんなりOKするのは面白くなくてな・・・」
意地悪そうな顔が水沢さんに似ていた。
「・・・・んだよー全く・・・・で？どうよ」
少々ふてくされ気味の水沢さんとは逆で
会長はにやりと笑うと私の手を取った。
「桃花さん、わがままな孫で申し訳ないね。尊には勿体無いくらいだが桃花さんだったら
安心だ。それと仕事に対する姿勢は素晴らしい。どんな仕事でも誇りを持つことが
大事なんだ。職種にいいも悪いもない。さっきは試す様な言い方をして悪かったね」

気が付けば・・・
涙が頬を伝っていた。両手で口を抑えて何か言わなきゃと考えているけど
言葉より涙の量がはるかに多すぎて返事の代わりに何度も頷いていた。
そんな私を水沢さんがそっと抱きしめた。

「じいちゃん・・・・桃花を泣かすなよな・・・・でもうれしいよ・・・・」

気が付けば私たちの周りにがたくさんの人が集まっていて
どこからともなく拍手と歓声が上がっていた。

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