俺様副社長に捕まりました。
「あ~~そんなつもりで言ったんじゃなくて・・・裕人の事はもう何とも思ってないから
そんな顔しないで」
「うん。桃も顔見たらそんな感じはしたけど・・・結婚とか言うから
まだ引きずってるのかなって」
「ああ~ごめん。そういう意味で言ったんじゃななくて、一般論として
結婚後も家政婦とか両立難しいかなって思って・・っていうか未来はどうなの?
久しぶりの秘書復帰」
未来は私の言葉にホッとした顔を浮かべたかと思うと急に目を輝かせ
待ってましたとばかりに顔をニヤつかせた。
「水沢副社長・・・とうとう特定の女ができたかも」
「え?」
未来は得意げに言うが
平均して週4日は夕食を用意しているのに水沢さんに特定の女性が出来たとは
思えなかった。
とはいえ、実際その作った食事を水沢さんがいつ食べたかまでは
把握しているわけじゃない。
なんだかモヤモヤしてしまう。
ん?あれ?・・・
私が何でモヤモヤしなきゃならないの?
そんな私をよそに未来は話を続けた。

「実はね、来週丸菱物産主催のパーティーがあるの。あそこのパーティーって女性同伴でしょ~
昨年までは秘書だった室田先輩と一緒に出席してたじゃない」
「うん」
「で、今回私が秘書になって普通に考えたら私が副社長同伴ってなるじゃない」
「まあ~そうだよね」
すると未来は更に身を乗り出した。
「『今回は同伴者がいるから相沢さんは定時で帰宅していいよ』って言われたのよ~
同伴者がいるってことは恋人とかがいるってことじゃない?でもさ~毎日ハードなスケジュールを文句も言わずに
仕事をこなしてていつ恋人を作る時間があるんだろな~って思うわけよ」
関心する未来とは逆で日頃の水沢さんの夕食事情を知っている私には彼女が出来たというのは
正直信じられないことだった。
だが、もしそれが本当なら私が水沢さんの担当をするのも
そう長くないのかもしれない・・・・
関わりがなくなることはいいけどなんだか複雑な気持ちだった。
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