俺様副社長に捕まりました。
いきなりの直球に飲んでいたビールを吹き出しそうになるのをなんとか手で押さえた。
そんな私を見て水沢さんは図星かと笑った。
やっぱり私って顔に出てたんだ・・・
この人には何も隠せないと思った私は先日のパーティーの事をかいつまんで説明した。
「もう完全に家政婦っていう仕事の枠を超えてる。全て命令形でさ~パーティー会場に着くと
今度は放置プレイ。いくら秘書経験があるからといってなんでもそつなくこなす思ったら大間違いよ。
大体生活水準が違いすぎる人たちの中に放り出される身にもなってほしい。
ちょっとかっこいいからって女の人に囲まれて鼻の下伸ばしちゃってさ・・・・
だったら会場にいた人と同伴すればいいのよ。どんなに着飾ったって私は家政婦なのに!」
まくし立てるように思っていることを吐き出したのだが
水沢さんから返ってきた言葉は意外なもので
「お前ってそいつの事が・・・好きなのか?」
「え?」
「なんかお前の話聞いてるとヤキモチ焼いてるとしか思えんけど?」
え?これがヤキモチ?
しかも水沢さん私のリアクションを楽しんでいるようにニヤニヤ顔で私を見ている。
面白くない。
「ヤキモチなんかじゃない。それに私はあの人のこと好きでもなんでもないもん。
私はあんな人よりー」
あなたの方がと思わず言いかけた言葉を急いで飲み込んだ。
ちょ・・ちょっと私何考えてるの?
今のは同じ水沢さんだったらって例えただけよ!・・・・
自分の思っていることに自分自身が驚いていた
だが水沢さんは聞き逃さなかった
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