俺様副社長に捕まりました。
「あんな人より・・・何?誰か好きな男でもいんの?」
鋭い目でじっと私の目を見つめるその目はまるでもうひとりの水沢副社長みたいだった。
「好きな・・・って・・・い・・いませんそんな人」
「ふ~~ん」
頬ずえつきながら私を見下ろすような目は信じてないってかんじで
「・・・信じてないって顔してますよね」
口を尖らせた。
「いや~あんたのコロコロ変わる表情が面白くっていじめたくなっただけ」
だけど水沢さんはすごく楽しそう。
悔しい!
だけど、この人の笑った顔ってやっぱり破壊力がある。
絶対に身なりをきちんとしたらかっこいいかも。
隠れイケメンだ!
「・・・顔赤いぞ?酔っ払ったか?」
しまった!彼の顔にドキッとしたら顔が赤くなっていた。
でもそんなこと言えないから頷きながら視線を目の前のからあげに向け口に放り込んだ。

でもこんなやりとりが嫌だとは思わなかった。
悔しいけどそれはやっぱりこの人の事が気になるからなのかもしれない。
でも知らないことが多すぎる。
だから知りたい。
仕事は何やってるの?
下の名前は?
恋人は・・・いるの?

いつもはぐらかすのは言えないわけでもあるの?それともわざと?
気になりだした感情は膨らむばかり。
だけどもうひとり
同じ名前の彼も気にならないと言ったら嘘になる。
全てが真逆の私の雇い主
どっちの水沢さんも私のことなんか眼中に入ってないのは
わかってるけど・・・・気になる。
それが恋なのか・・・単なる好奇心なのか
明確な答えまだわからない。
でも気になっていることはだけは事実だ。

この二人を足して割ったら最高なのに・・・・
そう思わずにはいられなかった。
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