俺様副社長に捕まりました。
水沢さんはカバンをソファーに置くと着替えもせずダイニングチェアに座った。
私がソファーに置いたカバンを片付けようとするとそれは後でいいから座りなさいと
向かいの席を指さした。
この人が何を考えているのか全くわからない。
私は渋々席に着いた。
「あの・・・なんで私の分まで作らないといけないんですか?」
「直接話したいことがあったし、一人で食事するより二人で食べたほうが
美味しさが増すだろ」
何気ない一言だったろうけど私には驚きだった。
二人の方が美味しさが増すって・・・真面目な顔して可愛いこと言わないでよ。
こっちが恥ずかしくなるじゃない。何も言い返せなくてチラッと顔をみると水沢さんも
自分の言った言葉にハッとしたようであさっての方向を向きながr口を少し尖らせた。
その顔が普段仕事では決して見せない顔だってわかってるから
私までドキッとして顔が赤くならないように下を向いた。

それから私たちは食事を始めたのだが
全く会話がない。
さっきはドキッとするようなこと言っておいて・・・こんな会話もなしじゃ
一人で食べているのと変わらないじゃない。
私がここにいる意味ってなんなの?
悶々としながらご飯を食べていると水沢さんは私より先に食事が済み
箸を置いた。
「食べたままでいいから聞いて欲しい・・・・」
大事な話でもあるかのように真面目な顔で私を見た。
「は・・・はい」
「相沢未来を知ってるな。君の親友で元同僚・・・・今は俺の秘書をやってる」
「はい」
「彼女、今妊娠中で俺もあまり彼女に無理しない程度の仕事をさせているんだが・・・・」
「未来から聞いてます。」
私になんかよりよっぽど優しい言葉をかけてることもね。
「じゃあ・・話は早いな」
「え?」
また・・・水沢さんの口角があがった。
嫌な予感
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