俺様副社長に捕まりました。
そして女将の後について行った私はまたも驚いて固まった。
「いつもの部屋どす。尊はん、お食事はお部屋でよろしゅうおすか?」
「ああ、そうしてくれ。女将、ここでいい。後は何かあれば連絡するから・・・」
「さよですか?ほなよろしゅう」
そう言って女将は一例するとまた私を見て微笑んだ。
あ~~完全に勘違いされてるし~
弁解するタイミングも掴めなかった・・・・
っていうか・・・なんなのこれ
案内されたのは離れの個室だった。
「あの・・・ここって・・・」
「見りゃわかるだろ?旅館の離れだ」
「そ・・それはわかります。っていうかどうしてここに?」
「泊まるからに決まってるだろ?」
お前は馬鹿かとでも言いたげな表情の水沢さんに黙っていた心の声が開いてしまった

「それくらいわかります。そうじゃなくてなんで私も・・・なんですか?お泊りになるなら
お一人でどうぞ。私の仕事は終わったんじゃないんですか?東京にかえりたいんです」

「帰らなきゃいけない急用なんかないんだろ?いいから来い」

こっちの意見を完全無視して水沢さんは私の腕を掴んで無理矢理部屋に入った
一体どこまで私はこの人のいいなりにならなきゃいけないのだろう。
絶対に・・・・帰ってやる。
この手が離れたら・・・絶対に東京に帰る
そう思いながら掴んだ腕を睨んでいると急に水沢さんが止まった。
急に止まらないでくださいと文句を言おうとしたが目の前の景色に目をうばわれた。
それは12畳ほどの部屋の前に広がる石庭だった。
岩、石、砂で作られた石庭にはキレイな砂紋が描かれていた。

写真や映像で見たことはあるが
実物は初めてだった。
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