俺様副社長に捕まりました。
目の前の水沢さんにほとんど抱きしめられているようで
酔が覚めるどころかもう心臓はバクバクしていた。
「あ・・あの・・・もう・・・自転車・・・いっちゃったね・・・」
視線を泳がせる私に水沢さんの手が私の顎を捉え自分の方へ向けさせる。
「み・・水沢さん?」
じっと私を見つめる水沢さんのメガネの奥の瞳に吸い込まれそうになる。
そして気づけば水沢さんの顔が近づいて私の唇が何かに触れた
・・・唇?ってことはこれって・・・キス?
唇から彼の体温がゆっくりと伝わる。
どうして?彼が私にキスしてるんだろう。
私のこと好きなのかな?
頭の中が真っ白になって何も考えられなかった。
ゆっくりと唇が離れると水沢さんはフッと笑った。
「謝まらないし、なかったことにもしない。」
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