俺様副社長に捕まりました。
そんなある日、相沢から桃花が家政婦の仕事を始めたと聞いた。
会社を辞める少し前、レンタル屋で偶然会った時に
家政婦にでもなると言ってたが本当に家政婦になるとは思わなかった。
その頃から桃花に対する気持ちが興味じゃなくて恋だと気づいた。
ただ、桃花がどこの家政婦会に登録しているのかわからず
相沢に「知り合いで家政婦を探しているが小野寺さんってどこの家政婦会に
登録しているか知ってる?」と聞きだしたら
なんと俺の家が昔から世話になってる竹原家政婦紹介所だった。

気が付けば実家を出てマンション買って、竹原さんに彼女を指名してた。
もちろん竹原さんに桃花の事を話したわけじゃない。
だが、俺の希望を伝えたら3名の候補者を提示されその中に桃花がいた。

すごい無茶苦茶なことをしてるってわかってたけど
俺の知らない家で働いて欲しくなかった。
だが実際初顔合わせの時の彼女の表情を見て驚いた。
あからさまに関わりたくないって顔だったからだ。
そりゃあそうだよな。
最近まで働いていた会社のそれも副社長の家政婦なんてある意味屈辱的だったと思う。
だから敢えて顔を合わせないようにしていた。
書斎の入室禁止はレンタル屋でよく会うもうひとりの水沢が俺だということが
バレないためだった。
この部屋には借りたDVDや数枚だが普段着をおいていたからだ。
桃花の家政婦の仕事の出来は完璧だった。
料理も俺の希望に沿って作ってあり本当に美味しかった。
だからどんなに仕事で会食があったとしても食べる量をセーブして
彼女の作るご飯を食べていた。
帰りがどんなに遅くてもね・・・
ご飯を作らない日はもうひとりの水沢になるため仕事が終わると
実家に立ち寄って着替えをしてレンタル屋で彼女を待った。
いつ会えるかわからないから30分ぐらいたってもこない場合は
そのまま実家に帰るか今日みたいにコンビニで弁当を買ってここで食べていた。
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