俺様副社長に捕まりました。
・・・・どうして?
なんで帰る?おかしいだろう・・・
昨夜、互の気持ちを確かめて・・・・俺が好きだって言った。
副社長じゃない俺自身が好きだって言った・・・
それなのになんで帰った?
俺はベッドルームにおいていたスマホで彼女に電話をしようとしたが
「・・・ちくしょう!・・・俺・・・桃花の電話番号聞いてなかった」
家政婦との連絡はメールだけで個人的な連絡は取り合ってなかった。

なんでこんなに焦ってるんだ?
もしかしたら家に戻って着替えて戻ってくる?
だったら彼女のことだ・・・置き手紙があるかも
そう思ってリビングに戻ったとき電話が鳴った。
「桃?」
桃花だと思って名前を呼んだのだが・・・・
「もしもし水沢さん?竹原家政婦紹介所の竹原です」
一気に力が抜けた。
「こんにちは・・・なんでした?」
相手が桃花じゃなかったことに少し苛立ちながら返事をしてしまった。
「申し訳ないんだけど・・・小野寺さん退職することになったのでそのご連絡を・・・」
「は?」
言葉が出てこなかった。
だって・・・昨日そんなこと一言も言ってなかった。
わけがわからない。
だが驚いている俺を無視するかのように竹原さんは話を続けた。
「それで新しい家政婦をまた選出したいのですが・・・ご都合の良い日―」
新しい家政婦?何言ってんの?
俺の家政婦は桃花だけだ桃花以外の家政婦なんて必要ない。
「そんなのはもういらない!なんでやめた?彼女はいつ、なんでやめたか教えて欲しい」
どうしてやめなきゃいけないのが全くわからない。
昨日だって何も言わなかったじゃないか・・・・
声を荒らげてイライラをぶつける俺に竹原さんの感情のない声が受話器から聞こえた。

「なぜ彼女が辞めたかって?それはあなたがよく知っているんじゃないの?」

そして竹原さんは電話を切った。
俺は力なく受話器を置くとその場に座り込んだ。

俺のせい?
気を落ち着かせて何がいけなかったのか考えた・・・・
桃花が家政婦をやめなきゃいけなくなる理由・・・理由・・・
「あっ!」

家政婦と依頼者の恋愛は禁止
バレたら即解雇・・・・・まさか・・・・
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