俺様副社長に捕まりました。
・・・・本命か
それは当分ないな・・・
もうパワー使い果たしちゃったし・・・
ふと竹原家政婦紹介所をやめた頃の事を思い出した。

家政婦を辞めたこと・・・何も言わずに姿を消したことをきっと
あの人は怒っている。
でも・・・それでいいと思った。
できれば嫌いになって憎んでくれていいと思った。
だってそのほうが楽だから。
私みたいな家政婦と付き合うよりもっとふさわしい人がいるはず。
いつか私のことをちょっとした気の迷いだったと思う日がきっとくる。
それにきっと竹原所長のことだから私みたいなことにならないよう
人選もより厳しく彼に合う家政婦さんを選んでくれるだろうと・・・
結局私はいままで住んでたマンションを引き払い、轟家政婦紹介所近くの
ワンルームマンションに引っ越した。
自分が受け持つお客様が決まるまでは
自分の選択は本当に正当だったのか?
別に無理して彼の元を離れなくてもよかったのでは?と
悩んでは落ち込み、目が腫れるまで泣き続けた。
不思議なことに3年以上付き合っていた裕人と別れた時
目が腫れるまで泣かなかったのに彼とレンタル屋であって数ヶ月なのに
ここまで泣けるなんて思ってもいなかった。
でもそれって長さじゃないんだよね。中身なんだってこともわかった。
彼との時間は短かったけどあまりにも内容が濃くて
本当にドラマや映画のようだった・・・・
もうこの先
胸が締め付けられるような恋愛は二度としないだろうと・・・・・
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