俺様副社長に捕まりました。

消えない思い

「はぁ~~」
何度目のため息だろう・・・
毎日毎日ふと桃花の事を思い出すたびにため息しか出てこなくなった。
あれから4ヶ月が過ぎた。
俺の今の生活もこの4ヶ月で随分変わった。
もちろんそれはプラスではなくマイナスだ。
桃花を自分の家政婦にしたいがために実家を出てマンションを買った。
だが桃花がいなくなった以上自分がここにいる意味などなくなった。
でも心のどこかで彼女がここに再び来てくれるのではと微かな期待と微かな望み
それだけのために俺はまだここに留まっている。
竹原さんが新しい家政婦の候補者を何人か提示したが
桃花以外の家政婦なんて全く考えていなかったから今うちに家政婦はいない。

桃花の作ってくれた美味しい和食はコンビニ弁当もしくは外食に変わり
洗濯物は休みにまとめて自分でやるかもしくはクリーニング
それでも脱衣所の異常なまでの洗濯物の量は減らない。
コンシュルジュのいる高級マンションに住んでいながら人も呼べないような
有様だった。
桃花がこの部屋を見たら何と言うだろう。
『なんですか?これは・・・私がいなきゃダメじゃない』なんてブーブー文句を
言いながらもささっとこなすんだろうな。
文句を言われてもいい・・・それでも戻ってきて欲しいと思うのは女々しいだろうか・・・
俺はボロボロになった桃花との連絡用に作ったノートを胸に置きソファーに
寝転がった。
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