最後の恋にしたいから
「えっ? あの……、それは……」

そんなに一緒に過ごしたいの?

このまま、付き合うという話も、週末を過ごすという話も、終わると思っていただけに誘われてドキマギする。

「ダメか? オレは、奈々子をもっと知りたい」

「私を……ですか?」

どうして、そこまで?

罪滅ぼしとか言っていたけど、それと関係があるのかな……。

それは分からないけど、ここまで言われて断るのも気がひける。

「分かりました。課長のことを、よく知らないのは同じなので。週末、一緒にいてください」

「良かった……。ありがとう」

ホッとしたような声で、課長はそう言った。

だけど、本当にお礼を言わないといけないのは私かもしれない。

寿人と別れて初めての週末は、一人で過ごすはずだったのだから。

きっと一人きりなら、切なすぎたはず……。
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