ぺピン
「夫婦漫才みたいと言うか、何と言うか…」

(そもそも、俺は何が言いたいんだ?)

京香に話しかけて、彼女と会話が続いているのはいいことだが、何だか訳がわからない方向へと会話が進んで行ってしまっているような気がする。

「先輩は私が好きだと、そう言いたいのですか?」

そう言った京香に、恭汰の心臓がドキッと鳴った。

「えっ…いや、その…」

彼女に気持ちを当てられてしまい、恭汰は戸惑うことしかできなかった。

「お…俺は、そう言う気持ちで言ったんじゃなくて…」

どう言い返せばいいかと悩んでいたら、
「私のことが好きなら、お断りいたします」

京香が言った。

「えっ…?」

恭汰は訳がわからなかった。
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