ぺピン
時刻は定時を迎えた。

「じゃあ、今日の仕事はここまでにしようか」

そう言った恭汰に、
「はい、お疲れ様でした」

京香は頭を下げた後、自分の荷物をまとめた。

「では、お先に失礼いたします」

「お疲れー」

「お疲れさん」

周りの声に京香は会釈をした後、オフィスから立ち去った。

京香の後ろ姿が見えなくなると、恭汰は息を吐いた。

(まさか、また一緒になるとは思っても見なかったな)

突然の再会に、すっかり舞いあがってしまっている自分がいた。

(改めて思ったけど、上杉さんを越える人なんていないな)

高校を卒業して大学に入学した後、恭汰はいろいろな女の子と交際した。

だけど、京香のことを忘れることができる女の子は誰もいなかった。
< 15 / 180 >

この作品をシェア

pagetop