ぺピン
「正真正銘の私の子です。

名前は上杉都(ウエスギミヤコ)と言います」

京香は丁寧に質問に答えた。

「上杉って…君は、結婚しているんじゃないのか?」

そう聞いた後で、彼女の夫が京香の名字を使っている――つまり、婿養子の可能性もあることに気づいた。

「夫はいません」

京香は首を横に振りながら答えた。

夫はいません――それは、夫とは離婚したか亡くなったと言うことになる。

「そうなんだ…。

悪いことを聞いてすまなかったよ」

恭汰は呟くように謝った。

「いいえ、気にしていませんから」

京香は言った。

「じゃあ、これで失礼するよ」

そう言って話を終わらせた恭汰に、
「わざわざ届けにきてくださって、ありがとうございました。

では、また明日会社で」

京香は会釈をすると、
「都、ご飯にするわよ」

自分の娘を中に入れさせると、ドアを閉めた。
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