ぺピン
(クールな子だな)

当たり前の一言だが、京香が言うと何だか冷たく感じた。

まるで、これ以上は自分に近づかないで欲しい…と彼女にはっきりと言われたような気がした。

休憩時間になった時、
「上杉さん」

恭汰は早速、京香に話しかけた。

「何でしょうか?」

京香は楽譜に視線を向けたまま返事をした。

「えーっと…」

何を話そうかと考えている恭汰に、
「用がないのでしたら話しかけないでください」

京香に言われた。

「いや、用がないって言う訳じゃなくて…」

弁解しようとした恭汰だったが、
「さっきのパートの練習を1人でしてもいいですか?」

京香はさせてくれなかった。
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