東京片恋専科。
「…一緒に行こうか」


全く予想もかけない広瀬くんの言葉に、顔を上げる。


「え、、、」


意味が分からなくて何も言えない。私は口をポカンと開けて、寝起きなのに整った、広瀬くんの顔を見つめた。広瀬くんはいたって涼しげな顔でこちらを見ている。



「自分で言えなくて、こうやって苦しんでるんでしょ?僕も一緒に行くよ、今日土曜日だし」



土曜日だし…???

いやいやたしかに休みの日ですけれども!!!


「イヤイヤイヤイヤイヤ…!巻き込むわけには!」


私は手やら頭やら大きく振ってそう言うも、広瀬くんはそれを華麗に無視して、



「これから会う約束しといてね」



とだけ言って、洗面所へと消えていった。



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