小宮の隣・俺のモラル

「…えっと……ちゃんと、いつも通り接してくれないか…?」

「………………。」

静まり返った空気。
もう、俺の口から言える言葉はない。


「由希はさぁ…いつもズルいんだよ。俺をその気にさせてから……いつも離れていく………!俺は、大学からお前のことが好きだったよ。でも…叶わないから、友達でいいからそばに居たいって思った。でも……友達から発展なんてしない…わかってたよ。由希を抱いた時…付き合えなくてもいいって思った……けど…もう無理なんだ…っ……。」

冷静に話しているのに、悠の目には涙が溢れていて、気づいた時には悠を抱きしめていた。

「悠…。ごめんな。俺好きだよ。隣に居たいから…。もう、離れてかないから…悠だって…離れんなよ…。」

「バカ…!俺は…この一週間冷たく接して、由希を離れさせようと思ったんだよ……!」

もう、言葉なんていらないから。
悠が愛おしくてたまらない。

「悠……ん…っ。」

「っ…………っ。」

火照った唇にキスをして、震える身体を抱き締める。

「悠…好きだ。」

「俺の方が先に好きだった。何年越しだと思ってるんだよ…。由希…ちゃんと責任とれよ…。」

「こっちのセリフだ…。ストレートの俺を変えたんだぞ?」

悠と居るだけで満たされる。
今まですれ違ってた分を取り戻したい。
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