叶う。 Chapter1
冷たい水で顔を洗うと、目の前の鏡を覗き込む。
そこには、いつもと変わらない私の顔があった。
もう大丈夫。
水が滴り落ちるその顔からは、涙の痕跡は微塵も感じられなかった。
ちょっと夢中になり過ぎたのかもしれない。
柔らかなタオルで顔を抑えながら、そんなことを考えた。
今日は色々なことがいっぺんにありすぎて、私の頭は混乱していたのかもしれない、とふと思った。
その瞬間、私は凛ちゃんの事を思い出した。
タオルを洗濯籠に放り投げ、直ぐに自分の部屋に向かった。