叶う。 Chapter1
それに、私から用があることはほとんど無い。
用があれば家に帰ってから伝えれば事足りるし、態々連絡を入れるほどの急用が出来たことが今までなかった。
ママやシオンやレオンとの連絡は、ほとんどが予定の確認だったり、帰宅時間の連絡だったり、買い物を頼まれることくらいしかなかった。
たまにレオンがふざけて電話を掛けてくることがあるけれど、それ以外は、ほとんど誰からも連絡がない。
電話帳にも、家族と凛ちゃんとピアノの先生の家、それに病院と学校くらいしか登録されていない。
それで不自由はなかったし、私にとっての携帯は音楽を聴いたり、ネットを見たりする程度の便利ツールという認識だった。
私は携帯がきちんと充電されていることを確認して、メールフォルダをタッチした。
受信されたメールを開くと、その名前と内容を確認して一瞬ドキリとした。
ひょっとしたら、私が泣いていた事がバレたのかと思ったけれど、冷静に考えたらそれは無いと思った。