叶う。 Chapter1
だけれど、そんな事を言われても私にはどうする事も出来なかった。
そもそも、和也の言いたいことは分かったけれど、私という人間には理解出来ない感情だった。
私は和也が好きだと思う。
だけれどシオンやレオン、ママに凛のことも好きだと思う。
好意を寄せてもらえる事は、普通なら嬉しい事なのかもしれないけれど、私にはどう対処したら良いかすら分からない。
そうこう悩んでいる間も、和也と繋いでいる手はとても温かくて、何だか酷く胸が苦しい。
例えこの場を上手く取り繕っても、きっと頭の悪い私はボロが出るに決まっているし、だったら最初からきちんと話をしておくべきなのかもしれない。
「・・・あのね。」
私がそう言うと、和也は少しだけ緊張した面持ちで私の瞳を見た。
「和也のことは、好きだよ。だけど、私ね・・・。」
「・・・うん。」
「誰かを恋愛的な意味で、好きになった事がないから分からないの。そういう・・・気持ちが。」
「・・・そうなんだ。」
「うん・・・だから、その・・・。」
「分かった。」
モゴモゴという私の言葉を遮り、和也は突然そう言った。
私はきちんと伝わったのか分からなくて、首を傾げて和也を見た。