叶う。 Chapter1



もちろん、先生はそんな生徒達に手を焼いているし、この学校が近所でも評判が悪い事も噂程度に知ってる。
それでも私にとっては、規則で塗り固められた前の学校よりは全然気分的に楽だった。

それに一応女の子だから、ちょっとオシャレしたりしたいとも思うし、綺麗にしていたいとも思う。

前の学校ではそれは叶わなかったし、制服も髪型ももちろん指定を少しでも外れたら、すぐに家に連絡が行くのが当たり前だった。


本来なら、優秀な兄達に習って私もちゃんとした学校に通って、ママを安心させたいとも思うけれど、残念な事に私にはそんな頭もなければ器量もない。

元の生まれが悪いから、それは仕方がない事なのかもしれない。

努力しなかった訳ではないけれど、私はどうも勉強が苦手だ。
勉強が好きか嫌いか、と聞かれれば私は間違いなくピアノが好きって答えるだろう。




歴史の先生が教科書を読み上げる。

それは一定のリズムで、眠りを誘うのには充分なBGMだった。

私はそのリズムを聞きながら、そっと瞼を閉じた。





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