サイコーに幸せなお姫様。
「未練なんてない。でも会えてよかったとは思うよ。新しい私を見てほしかったから…。」
新しい…私…?
「昔の自分と…今の自分は変わっていると思ってる?」
「分からない。それは他の人が決めることだから。でも…瀬名さんが切ってくれた髪…似合ってるって言ってくれたよ。」
「ふーん…よかったね…」
完全にやきもち妬いてしまった俺はそのままベットに横になってiPodを聞いて雑誌をパラパラめくる。
ま、雑誌なんて目に入ってないんだけど妙にイライラしていた。
そんな俺に近づいてきてイヤホンを外してくる彼女。
「ごめんなさい。あんまり聞きたくない話だったよね?瀬名さんには嘘つきたくないから…」
分かってるよ…
分かってるけどヨリを戻す自信があるって元カレに言われた時はきちんと言ってほしかった。
今はちゃんと俺という彼氏がいるからそれはないって…否定して怒ってほしかった。
「怒ってる?」
「別に…」
カッコ悪…めちゃくちゃ怒ってるのバレバレなのに。テルヨが悲しい顔をしていたのに気付いていたけど…
もうその日の俺の機嫌は直らなかった。ずっと…イライラしてギクシャクしたままテルヨを家まで送り届けた。