サイコーに幸せなお姫様。



「…やればできるじゃん。」


なおは殴られた左頬を左手で押さえてボソッと呟いた。



「瀬名さん!今の平手打ちはテルヨさんを騙したお詫びとして受けました!だから瀬名さんも一緒に罰は受けて下さいよ?」



「え?」



なおの言葉を理解する前に今度は俺が思いっきりなおに平手打ちされる。



テルヨはこの状況に一人ついていけなくてポカンとしている。



なおはバックを持って立ち上がる。



「テルヨさん!私たち体の関係なんてサラサラないですよ?下手な芝居をしただけ!理由は瀬名さんからゆっくり聞いて下さい。騙してごめんなさいね?でも殴られたから許して下さいね!」



そう言って玄関先へとスタスタと歩いていくなおを慌てて追い掛ける。



「なお…!ごめん…ここまでさせて。送るから。」



「こんな状況でテルヨさんを一人にしないで下さい!!早く誤解といて謝って。お詫びはモンハイムのオペラでいいですから♪」



そう言って最後は笑顔で帰っていった。



さ…さすがなおだ。
女の子の感情なんて分かり切っていて…感謝しきれないよ。



「…瀬名さん…どういうこと?話が全く分からない…」





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