サイコーに幸せなお姫様。
なーんて意気込んでいたものの。ゲーセンでバカみたいに連打したせいで軽く右手に違和感を感じていて……
「なお?手どうかした?」
「大丈夫!少しゲーセンで痛めたみたい」
思ったよりスコアが延びないで私が右手をかばって投げているのに気付いたツッチーは店の人に救急箱を借りてきてくれた。
「たいしたことないからー!しかも湿布なんて恥ずかしくてしたくないよ!!」
「ダメ!なおは美容師のたまごだろ?商売道具を傷つけちゃダメだろ?」
――優しい。思いやりもある奴。私、こういう人って大好きなんだよね。
「腕ばかり使う場所ばかり連れてきてる俺のせいか。ごめんな」
「全然!腕なんか気にしてたら何もできないじゃん?」
めちゃカッコ悪いけど右腕には湿布をはられてしまった。そしてテープで固定。
あとのゲームはツッチー一人で投げてマジで口だけじゃなくてボーリングはうまかった。
運動神経はあるみたいだね。あ、サッカーやってるんだっけ?
球技系は得意らしい。新たなツッチーの一面を知れた気がした。
ストライク出すたびにハイタッチしてくる奴。本当に嬉しそう。
私も見てるだけでも楽しくてずっと笑ってた。