サイコーに幸せなお姫様。
ツーリングに行く日はきれいな青空。少し早めに起きて…カーテンを開けて空を見上げた。
「よしっ!!」
絶対泣かない。最後の二人の思い出づくりのために気分を切り替えた。
一一しかし。ツッチーのバイクは音がうるさいっ!!ツッチーらしいけどさ…後ろから回した手。
「堂々と抱きつけるのも今日が最後か…」
うるさい音に紛れてボソッと呟いた私の言葉。またしんみりなってきて風景なんて見てなかった。
気が付いたら目的地とやらに着いていて私はビックリしてしまった。
だってそこは…
「あみ達が挙式を挙げたチャペル…?」
なんでこんなところに?私は意味が分かんなくて…ツッチーに手を取られて建物の中に入っていく。
呆然としている私の手を握り中央のバージンロードを二人で歩く。
「そう。確か5列目の席だった。なおは新婦側のここに座ってた。そして俺は新郎側の席。」
あの日を再現するかのように広いチャペルの中に二人きり。5列目に対象的に座る。
「覚えてる?なおは俺の…左となりに座っていたんだ。」
首を横にふる私。
全然覚えてない…
「後ろの扉が開いて…花嫁姿のあみちゃんを見た瞬間…なおは涙をこぼした。」
…そうだ。確かに親友のあみのウェディングドレス姿を見て…感動して泣いた。