思春期ベリーライン
うう、わたしにはもう無理だよ……。
1年間同じクラスで、しかもしばらくは隣の席で。
後藤くんの全てがわたしに男の子を意識させるんだよ?
机の上に出てる筆記具も男の子って感じで。
真っ黒のシャーペンに、なぜか千切れた消しゴム。
ペンケースだってぼろぼろだ。
反対側の男の子もちらちらと後藤くんのことを見ている。
ちょっとびくびくしてて、わたしと同じ気持ちなんだろうなぁ。
千菜ちゃんの近くがよかったとまでは言わないけど。
はずれの席になってしまった、と思った。
せめてあの男の子の方がこわくないし、後藤くんよりは安心だったのに。
「まぁまぁ。
今度、穂香の好きなストロベリーチョコあげるから元気出して!」
「うん……。
千菜ちゃん、ありがとう」
気づかってくれる千菜ちゃんにふにゃりと情けなく笑えば、頭をよしよしと撫でられた。
これからどうしたらいいのかなぁ。
思わず、憂鬱なため息がこぼれた。