音のない恋 番外編
ピンポーン。
扉が開く。
来たんだ!!!
陽奈ちゃんと目を合わせてうなずく。
扉の向こうで
息切れしている2人。
なんか笑っちゃう!
「なに笑ってんの?」
章太が不思議そうに見てる。
「なんでもないよ!」
陽奈ちゃんをみるともう渡していた。
「はい、これ。
毒入れといたから気をつけてー」
陽奈ちゃん…毒って…照れ隠し?
「毒じゃなくて
陽奈の愛情でしょー♪」
あ、私も渡さないと!
“味、自信ないけどどうぞ”
“ありがとう!嬉しい!”
章太と話すときは手話。
章太が頑張って
覚えててくれたんだよねー
あのときは嬉しかったなー。
って、章太、顔赤い?
どうしたの!?
章太はうつむいてチョコを見たまま
固まってしまった。
“ねえ、これってプロポーズ?”
そう言われて章太が見せてきたのは
私が書いたメッセージカード
“味に自信ないけど、 ゚*♡*
これからも頑張って作るので ゜ 毎年のこの日に私の作ったチョコを
゚*♡*。 食べてくれたら嬉しいです”
え?プロポーズ?これのどこ…が…
っ!!ぁぁあああああ!!!!!!
私としたことが…
“まあ…別れる気はないです”
そう言うと章太は嬉しそうに
私のチョコを食べ始めた。
なんとなく
陽奈ちゃんたちの方をみると
ってぇぇええええ?
陽奈ちゃんとはる君…?
き、ききキス…してる…?
所かまわずな2人。
でもなんか羨ましくて…
ギュッ…。
章太のこと抱きしめてみた。