忘れられぬ人

10年前

〜10年前〜

「暑い〜だいたい
夏休みに学校とか
イヤだってばー」
安座間中学は毎年
夏休みに1日だけ
生徒が登校する
日がある…。
「沙知絵〜帰ろ〜」
「うん!!」
沙知絵は可愛く、
短く折ったスカートが
似合い異性からとても
人気がある女の子だ。
「ねぇ見て見て!!」
沙知絵はぴょんぴょん
飛び跳ねて前にいる
集団を指さした。
「4組の林田!!
ちょーイケメン!!」
「どっどの人…?!」
一番怖そうな人を
指さし、
「この人!!」
そう沙知絵が言った。
「3年生?!」
「ありさ知らないの?!
そっかあ〜学校とか
林田きてないもんね!
同い年だよっ?!」
「えー?!二年生??」
大声をだしたため
その集団が振り返り
私を見ていた。
確かにその集団は
私達と同い年の
見慣れた顔ばかり
だったが、沙知絵が
言った林田という
人は初めて見た顔
だった…。
「あっ冬田!!夏休みの
宿題やったかっ!?」
林田という人と
沙知絵が仲良く
会話をしていた。
すると林田は私の方に
体を向けて、
「二年何組!?」
そう聞いてきた。
「二年一組」
そっけなくそう答えた。
「冬田〜あいつ
冷たいわあ〜」
林田から離れようと
早足で歩いた。
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