もう一度だけ、キミに




しかし。



穏やかな学校生活を送る中で私は、
ある悩みを抱えていた。



「……奈央、どうだった?」



舞桜が私に聞いてくる。



「…ううん、何も無かったよ。
ただ、相談を聴いたり、カラオケしたぐらいかな」



苦笑混じりの声を零しながら、
緩く左右に首を振る。



「…そっか…」



残念そうに眉根を下げて、「でも、これからこれから!」と励ましてくれる舞桜に「うん」と返しながら、



心はズクン…と重くなる。




―――…ごめん、舞桜。


嘘をついてごめんね。




声に出来ない謝罪が、優しい笑顔を浮かべて話し掛けてくれる舞桜を悲しげに映す。




―――…本当は、それだけじゃないんだよ。



もっと



それこそ舞桜に幻滅されそうな事もあったんだよ。


……舞桜に限らず、友達全員に幻滅されるかも。



苦しくて悲しい
自嘲気味の笑みが零れ落ちた。


< 7 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop