結婚してください

「意味が分からない。
彼女とのことを隠すのに私を利用するの?」


「なんでそんな必要があるんだよ」


亜紀は自分が出産した記憶がない。


俺とのことも全く記憶にないんだ。


あの初めての夜も、その後、亜紀との素晴らしい夜も。


俺たちが愛し合ったあの夜をまったく亜紀は覚えていないんだ。


「教えてやるよ!亜紀!」


俺のスイッチが入ってしまった。


もう止められないこの思い。


誰がきてもどうすることもできない。


亜紀、君は知っているだろうか? 


二人で過ごした寝室のことを。


二人で朝まで抱きしめあったあの夜のことを少しでも思い出せるだろうか?


苦い苦しいことばかりじゃなかった。二人の幸せな時間もあったはずだ。


俺は亜紀をこんなにも愛しているのだから。

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