結婚してください

嫌がる亜紀の腕を引っ張り寝室へ連れて行こうとしたが、亜紀に抵抗され腕を振り払われた。


つい頭に血が上った俺は亜紀を抱きかかえ寝室へと行き、ベッドに放り投げるように亜紀を下ろした。


そして来ていたシャツを脱ぐと亜紀の腕を掴んで引き寄せ力任せに抱きしめた。


夢にまで見ていたことだった。亜紀を抱きしめキスをする。


もう何も考えられなくなって本能のまま亜紀を抱いていった。


怒り任せに始めた行為なのに、いつのまにか愛おしい女を抱きしめる優しい行為へと変わっていった。


まるで夢の中を彷徨っているかのような幸せな気分になった。


抵抗されると思っていたのに、亜紀は抵抗することなく俺を受け入れた。


亜紀に抱きしめられキスされた。そんな亜紀はまるで以前の亜紀のようで。


あの熱い夜を思い出したかのような抱擁に俺は酔いしれる。



二人の熱い夜を思い出すように。



亜紀は俺と同じ思いでいてくれたと思いたかった。



なのに、亜紀の目からは涙が流れていた。



亜紀、何故そんな悲しい目をしているんだ?



そんなに俺に抱かれたくなかったのか?









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