第1巻 Sicario ~哀しみに囚われた殺人鬼達~
side:セルリア

「勿論、殺すさ...。ムカつくからね。」

「殺すのは別に異論はねぇーけどよ。
本当なのか、お前の推論は...?」


ギフトが俺の肩を押して、ベッドに突き倒す。
ギフトに押し倒され、顔を近付けられる。
鼻先が触れ合う、長身の男に上乗りされても何も嬉しくない。


「今まで僕が間違えた事があるか?」

「ねぇーよ。...早く退きやがれ。」


俺の上から降りると、自分のベッドに腰を降ろした。
酔っている所為かかなり攻撃的だ。


「そうさ、僕は間違わない!僕が言っている事は正しいんだ!!
君は其れを知っているだろう。疑わずに従え...。」

「...まるで暴君だな。」

「いい例えだ...僕は正しい暴君だ。
アハハ!そうだろう!?」

「別に俺はお前を責めてねぇーよ。」

「ハハハ!...そんなの知ってる。僕は馬鹿じゃない。
......〝ベラージュ〟」


嫌味垂らしてギフトが言った。


「黙れッ!!...俺は寝る。」

「アハハ!!怒った、怒った!...お休み。」


俺はギフトの言葉など聞かずにベッドに潜り込んだ。



嫌な思い出を無理矢理思い出されてしまった。
クソが...。クソったれが...。
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