イケメン同期に素顔を見抜かれました
入社して半年、ようやく社会人としてもしっかりできてきたかなと思っていたのに。
私はまだまだだなあ。
がっくりと肩を落とし社内の廊下を歩いていると、後ろから声を掛けられた。
振り返ると、相変わらずの爽やかスマイルの有村。
「崎坂、背中に負のオーラまとってたけど、どうした?」
「……仕事で失敗しちゃって反省中なの」
「あるよなあ、そんなことも」
「有村もあった?」
「おう。その度に先輩にフォローしてもらってひとり反省会だよ」
「そっか……」
有村が優しい言葉を掛けてくれるけど、私の気持ちは浮上しそうにもない。
「じゃあ、今日飲みに行くか?」
突然の誘いにびっくりして顔を上げる。
「同期として、励ましてやるよ」
「でも」
「何だよ。俺の励ましじゃ不満か?」
「いや、そうじゃないけど」
「じゃ、決まりな。仕事片付いたら迎えに行くから」
笑顔の有村に断りの言葉を発することなんて出来なくて。
私は彼の誘いにコクリ、と頷いた。