イケメン同期に素顔を見抜かれました
いやいや。
私のことを狙ってる人なんていないでしょ。
心の中で冷静にツッコむ。
しかし、大事なのはそこではない。
「……まだ別れてもないのに、私にそんな告白してくるの?」
項垂れる有村の表情が、答えだ。
「直接会って話そうとしてるんだけど、何か勘付いたのか、会ってくれないんだ」
さすが真理ちゃん、魔性の女。
ずっと想いを寄せていた人から告白を受けているというのに、なぜ私はこんなに冷静でいられるのだろう。
自分でもびっくりするくらい、私は冷静だった。
そう、冷静に対応していたと思っていたけれど。
「おい、崎坂っ……!」
何も言わずに、駆け出していた。
心臓が、バクバクする。
顔が、熱くなる。
有村が、私のことを好きだと言ってくれた。
片想いじゃ、なかった。
だけど、まだ。
彼はカノジョのもの。
まだ、私が喜んでいいわけじゃない。
『さっき言ったことは本当だから。だから待っててほしい』
私が逃げ去った後、送られてきた有村からのメッセージ。
私はその画面を開いたまま、電車の中から変わる景色をただ茫然と眺めていた。