イケメン同期に素顔を見抜かれました


「私も、有村のことが好き」



力強く抱きしめられて、息が出来なくなる。

「有村、苦しいよ。離して」

「イヤだ。せっかく捕まえたんだ。今日は離さない」

子どものような言い分に、笑いがこぼれる。

「何笑ってんだよ」

「だって有村が……んっ……」

言葉はそのまま、唇で塞がれた。




「今日は帰さないからな」





―――P.S.

お父さんとお母さんには、芽衣は今日、紗希ちゃん家に泊まるって言っておくからね。

安心して、明日帰ってきなさい。





やっぱりお姉ちゃんには敵わないな。

そんなお姉ちゃんの援護射撃に押された形にはなるけれど。

私も少しは素直になってみよう。




「……私も帰りたくない」




素直になった私に待っていたのは。

甘い甘い、幸せな時間だった。



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