初恋の君は俺を忘れてしまいました。
「・・・沙菜?」


「・・・おはよう。お母さん」


「・・おはよう。お風呂?」


「うん」


「そう。朝ごはん作らなきゃ・・・」


「いいよ。昨日のパン残ってるし。お母さんも仕事でしょ?」


「・・・今日は・・・そうね。でも、今日はゆっくりでいいから、やっぱり朝ごはん作るわ」


「・・・わかった。じゃあ、パンはお昼にするね」


私はお母さんのあの言いたそうなことがわかってしまった気がして。


あえて聞かなかった。


きっと、今日はお父さんと病院へ行くのだろう。


だから、お父さんもゆっくり寝ることができている。


だってあのお父さんが朝寝坊するはずがない。


手紙は明日持ってきてって言われていたけど・・・


二人が行くからいいか。


お風呂からでたら、お父さんも起きていて結局何年かぶりの三人で朝食をとった。


いやな空気がずっとながれていて、私は十分ほどでその空気が耐えられくなり、急いで食べて
部屋へ戻った。

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