初恋の君は俺を忘れてしまいました。

初恋の君はこんな人

朝のSHRが終わり、一限が始まった。


昂は授業が始まったと同時に机に伏せ寝始める。


一限は国語。


昂は国語の時間は必ずといっていいほど寝る。


でも、昂は国語の成績が一番高いため、先生も文句を言わなくなった。


昂いわく、


「日本人なんだから、国語はできて当たり前」


らしい。


きっと誰もが昂の脳を欲しがっている。


欲を言えば、ルックスや運動神経も。


国語が終わると寝起きの昂が私の席に近づいてきた。


ここ三年で昂の考えていることは何となくわかってきた。


さっき机の中に戻したばかりの国語のノートをもう一度出して、昂の目の前へ差し出す。


「さっすが。やっぱ三年目だとわかっちゃうもんだな。」


「まあね。あ、さっきの授業で大事なとこ、一応、赤で書いといたけど。」


「いつもわかりやすくて助かるよ。」



「そりゃどーも。見習ってほしいもんだね」


「俺の睡眠時間とらないでくれたまえ。」


「はいはい」


昂はそういい、自分の席に戻った。


教室の後ろらへんから聞こえるひそひそ声に耳を傾けた。
< 6 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop