それでも愛してる。




もう授業が始まっている。


「お、おい鈴野?」


「トイレです。」


先生が心配そうに私の名前を
呼んだけれど私はそう言って
席についた。


「ねぇ、愛菜大丈夫?」


太陽が小声で聞いてくる。


「ほっといて。」


「愛菜?」


うるさい。
うるさい。
うるさい。

ほっといてよ。


「工藤には関係ない。」


そう言って前を向いた。


太陽を工藤と呼ぶのは
他人とゆう事。
名前呼びをしないとゆう事は
絡みたくないとゆう事。


「何かあったんでしょ?
俺でよかったらー…。」


「アンタでいいわけないでしょ!?
うるさいな、もうほっといてよ。」


カバンを持って急いで教室を出る。


「お、おい鈴野!?」


階段をかけおりて
玄関から外へ出た。

サボるなんて初めてだ。


走って走ってとにかく走った。


イライラしてムカムカして
言葉に言い表せないくらい
ムカついた。




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