それでも愛してる。
「あの。話があるんだけど。」
私は真剣な目で愛子さんを見る。
「マロンがって…マロンのせいにするのも
ちょっとあれだけど部屋に入った時
ゴミ箱の中見ちゃって。」
驚いた顔をした愛子さん。
「…。そっか、ばれたか。」
そう言って軽く微笑んだ。
「妊娠検査薬では陽性だった。
すぐ病院行って調べたら4ヶ月だって。」
驚くべきところだと思った。
でも、意外にも私は冷静に
話を聞いていたー…。
きっとパニックだったんだろう。
「大原龍人ってあたしの2つ上の
上司でさ、いい人なんだ。」
その顔は昔のお母さんの顔に似てる。
お父さんと仲の良かった
あの頃のお母さんに。
「産むの?」
私はそう聞いた。