不機嫌な君
何がそうなの?
理解出来ずに、葉月さんを見つめる。

「金崎部長って、ひとみちゃんの事、好きなの?」
「…ぇ、…えぇぇぇ⁈」

私の叫び声に、社食が居た人たちの目が一斉にこちらに向く。

私は赤面しつつ、四方八方に頭を下げ、肩をすくめて、小さくなった。

「だって、それしか考えられないじゃない。そうじゃなかったら、放っておくだろうし」
「金崎部長が、私を好きになる理由が思いつきません」

上目遣いで、葉月さんを見る。
葉月さんは、困ったように笑った。

「ひとみちゃんは、自分じゃ全然知らないんだろうけど…
結構人気高いわよ?」

葉月さんの言葉に、目を丸くする。

「可愛いし、よく笑うし、誰かれ構わず、言いたいことはしっかり言うし。

スキンシップも多いし」

「…スキンシップ??」

「誰かれ気にせず、バシバシ叩く」
「…それ、どっちかと言えば、短所ですよね」

そう言って苦笑いした。
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