不機嫌な君
「…もう、食べ終わった？…どんなに話を引き伸ばしても、今日は、話を聞くまで自由にしてあげないからね」

…笑顔で言ってるのに、目が笑っていない。どうやら、観念して話さなければならないようだ。

…私は心を鎮める為に深呼吸して、週末の出来事を話した。

葉月さんの顔が、どんどん驚きの眼差しになる。…無理もない。

自分自身、あり得ない出来事に動揺してるのだから。

「…と、言うわけなんですが」
「…」

「…葉月さん？」
何も言ってくれない葉月さんに、不安になり、名前を呼ぶ。

「…金崎部長って、謎の人ね」
「…へ？」

葉月さんの言葉にキョトンとする。

「泥酔してるとはいえ、ひとみちゃんは男と居たわけじゃない？彼氏だって思う方が普通だと思うし。それに、自分の家にひとみちゃんを連れ帰る所が明らかにおかしいじゃない。

鍵がないなら、圭ちゃんに連絡すれば、私に連絡くるわけだし…」

…確かに、言われてみればそうだよね。
圭介さんと金崎部長は、大学時代の頃からの友人みたいだし、圭介さんと葉月さんが付き合ってることも知ってるわけだし。

そうしなければならなかったわけじゃない。

「金崎部長って、そうなの？」
「…は？？」
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