不機嫌な君
この間みたいに説明し始めると、葉月さんは、今回は驚き顔より、やっぱり!みたいな顔をした。

「ほら〜、やっぱり金崎部長は、ひとみちゃんの事好きなんじゃない!…それより、ひとみちゃんが金崎部長に好意があったことの方が驚きだわ!そうなのかなあって思ったけど、なんだか曖昧な感じだったし」

「…自分でも驚きです。まさか、金崎部長の事好きだったなんて」

「…自分の気持ちに気づいたからには、大西さんは、お断りするの?」

「…気づいく前に、お断りしようと思ってたんです。だから日曜に会う約束して、断ってる最中にあんな事になって」

「…大西さんも気の毒ね」
葉月さんは苦笑いした。

「本当に…申し訳ない事をしました」
「…それにしても、まだ何か悩んでる顔ね?お互い好きだってわかったのに、まだ何を悩んでるの?」

「…お互い好き?…本当にそうでしょうか?」

「…ん?だって、告白して、やっと聞けたって言って、キスまでしてくれたんでしょ?好き以外にどんな気持ちがあるっていうの??」

「…私はそうは思えないんです。…一方的に私が金崎部長を好きなだけで、金崎部長は、そんな私を弄んでる気がして」

「…そうかなあ?…なんで、そう思うの?」

「金崎部長の口から、好きだって聞いてないから」
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